STELLA

好きが君だけで溢れかえるまで

ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」

こんにちはこんばんは。

 

 

 ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」

 

私が観たのは、古川×生田×馬場×小野×広瀬×大貫です。

 

 

 あらすじやらストーリーやらはきっと誰もが知ってると思うので割愛します。知らない方は調べてみてください。

 

 

基本ストーリーはまぁ当たり前にロミジュリなんだけど、現代要素がちょいちょい入ってくるロミオ&ジュリエット。スマホ持ってるのは当たり前、さすがにAED出てきたのはちょっと笑った。ここはいつの時代なんだ??ってなるけども、そんな違和感はなく観れる。なんでだろうなぁ、「そういうもの」としての認識があるからなのか?でもガッツリ古典演劇ってよりはそういうちょっとしたところで現代のものを入れてくる方が取っ付きやすくなるのかな?

 

言わずもがな、ダンスがめちゃくちゃかっこいい。モンタギューとキャピュレットのダンスめちゃくちゃかっこいい。ヒップホップとジャズのぶつかり合い。あとコンテンポラリーってのがよくわからなかったけど、google先生で調べたら「字義的には現代の舞踊すべてを指すが、一般には、バレエ、フラメンコ、ジャズダンスといった既成のジャンルに属さないものを指す。」ってあった。死のダンスとかがコンテンポラリーにあたるのかな。確かに言われてみればどんなジャンルでもないコンテンポラリーって感じだったわ(?)

死と言えば、気付いたらそこにいる感がすごくて、うわぁじわじわきてるよ……ってなってた。気付かない場面では本当に気付かないし、主張してくる場面では主張してくるし、使い分けって言ったらなんか変な感じだけど、あぁこれはすごい死だわってなりました(?)

 

キャストについては1公演しか観れてないのであれですが…。

古川ロミオのあの助けたくなる感は本当に素晴らしいロミオだなぁと思います。ロミオは色んな人に助けられて守られて生きている人だから、あのなんとかしてあげなきゃ感がすごいロミオ。

生田ジュリエットは可憐で少しあどけない感じで可愛かったです。声も可愛いのに媚びてる感じとか嫌な感じは一切なく、歌も素敵でした。

馬場ベンヴォーリオもめちゃくちゃ良かった。すげえ兄貴み溢れていた。こういうお兄ちゃん欲しいわってなる(?)

 

Wキャストものはやっぱりどっちも観たくなるから2公演以上入れないとだめだねぇ。時間が足りないぜ。

 

 

そういえば、私が観劇した日はジュリエット役の生田絵梨花ちゃんの20歳のお誕生日で、みんなでお祝いしてました。キャストみんなで乃木坂踊ってて可愛かったです(笑)

おめでとうございました!

ミュージカル「フランケンシュタイン」

こんにちはこんばんは。

 

 

ミュージカル「フランケンシュタイン

 

柿澤×加藤回を観てまいりました。

これが私の今月1番の目的だったんですけど素晴らしかったです。でもちょっとだけんんん??と思うところもありました。脚本演出の問題かなあ。

 

19世紀ヨーロッパ。科学者ビクター・フランケンシュタインは戦場でアンリ・デュプレの命を救ったことで、二人は固い友情で結ばれた。“生命創造”に挑むビクターに感銘を受けたアンリは研究を手伝うが、殺人事件に巻き込まれたビクターを救うため、無実の罪で命を落としてしまう。ビクターはアンリを生き返らせようと、アンリの亡き骸に今こそ自らの研究の成果を注ぎ込む。しかし誕生したのは、アンリの記憶を失った“怪物”だった。そして“怪物”は自らのおぞましい姿を恨み、ビクターに復讐を誓うのだった…。

 

キャストについて。

 とにかく柿澤ビクターが素晴らしかった。生命創造に対する情熱と執着、そしてアンリに対する執着。どんどん狂っていく姿、本当に救えない救われない姿。泣き声のような歌声。ビクター・フランケンシュタインという天才だけどダメな男、なのに放っておけないような儚さ。切ない、苦しい、辛い、なんかどれも当てはまらない感じ。全部そうなんだけど全部違う、みたいな。

ジャックも良かった。けど、ビクターが良すぎて…(笑)けらけら笑いながら焼鏝押し付けるのエグいけどめっちゃ好きでした()

 

加藤アンリはとてもママみが溢れていた…。母性でビクターを包み込んでいた…。処刑前のアンリとビクターのやり取りがめちゃくちゃ泣けた。なに、君の夢の中で生きたいって……しんどい……()

怪物もとても良かった。そうだよね、君はまだ赤ちゃんなんだもんね。カトリーヌとの関わりもほんと物心ついたばかりの子供のようで切なかった…。

 

 

ストーリーについて。

 1幕はひたすらビクターとアンリ。決して恋愛ではないんだけど、それに限りなく近い友情。ビクターの狂気さが目立って取り上げられている気がするけど、アンリも割と狂ってるぞ…?ビクターが突っ走っていく愛で、アンリはどっしり構えつつ包み込む愛って感じ。アンリの処刑前も、必死にアンリを救おうとするビクターと、ビクターは自分の太陽だと言いビクターさえ生きていてくれればそれでいいアンリ。うわーん切ない辛い!!葬儀屋*1死ね!!!あ、もう死んでた!!!!()

そしてアンリの首を使ってビクターは生命を創り出すんですけども。エレンがビクターに「あなたまさかアンリの首を実験に…!?」って言ってビクターは否定するんですけど。アンリの処刑直後は多分ビクターもアンリの首を使おうとは思ってなかったんじゃないかな、と思いました。実験欲もあったと思うけど、それ以上に自分のせいで犠牲になったただ1人の親友にもう一度会いたかっただけなのでは。その気持ちが勝ってアンリの首を持ち帰る。アンリの首を持ち帰る際に愛おしそうに顔を寄せるビクターが切なくてぞっとした。怪物が出来上がった後、アンリ……アンリ……って切なそうに泣きそうな声で呼ぶビクターが辛い。結局そこにいたのは怪物であってアンリではなくて、絶望と後悔に苛まれるビクターが辛い。まぁ全部お前のせいなんだけどな……()

そして2幕。ここからビクターの元を離れた怪物がどう過ごしてきてなぜ再びビクターの元に来たのかっていう過去編が入ってきます。一人二役の二役目です。結局いかに怪物が虐げられ生きてきたのかっていう話なんですけど、なんだろう、なんていうか1幕との繋がりが薄いというか。怪物の過去の話になるのでまぁ当たり前かもしれないんだけど、1幕と全くの別物になってしまってる感があって、ちょっとうーんとなってしまった。怪物にはアンリとしての記憶がないから仕方ないんだろうけど、1幕であんなにも異常なまでの友情を描いていたくせに2幕ではそれが全くといっていいほどなくて、あれはなんだったんだ……?ってなった。いや、2幕は2幕で良かったんだよ。虐げられてきた怪物が人間の女の子に出会って初めて受け入れてもらって、赤ちゃんだった怪物が少しずつ成長していく感じとかすごく良かった。でも1幕との繋がりは薄くてそこがちょっとなぁって感じでした。なんかもっと、あの狂気的な愛があったからこその憎しみとか……そんな感じが……欲しかった……()

 

 

なんやかんや言いましたけど結局めちゃくちゃ良かったです。他キャストも他組み合わせも観たい…。

*1:ルンゲが新鮮な死体を依頼したために、殺人を犯しそれに怒ったビクターが殺した

ミュージカル「手紙」2017

こんにちはこんばんは。

 

 

ミュージカル「手紙」を観てきました。

http://no-4.biz/tegami2/

 

人殺しの弟を世間は許さない

 

両親を亡くしてから、直貴にとって兄の剛志が親代わりだった。剛志は弟の学費ほしさに空き巣に入り、現場を見つかったために殺人まで犯してしまう。貧しくても平和だった生活が一瞬にして暗転する。 直貴は「人殺しの弟」という烙印を押されさまざまな差別に遭う。そんな彼にとって音楽との出会いが唯一の救いになった。バンド仲間との友情、初恋―だが、それさえも無残に打ち砕いたのは兄の存在だった。 一方、服役中の剛志は弟への純粋な想いを手紙につづり続ける。 その手紙が直貴をどこまでも追いつめてゆき、ついに―。 運命の荒波にもまれる兄弟の十年間をたどり、日常のもろさ、差別、償い、家族の絆―現代社会のかかえる問題をあぶりだす。

 

東野圭吾さんの小説が原作です。再演ですが初演は観ていないので、初演との違い等はわかりません。ネタバレ含んでますので未見の方はご注意ください。

 

 今回は主人公直貴役を柳下大さんと太田基裕さんのWキャストでやっているのですが、私は柳下大さんの方を観てきました。もっくんの方も観たかったなぁ。きっとそれぞれで全く違う直貴がいるだろうからどちらも観たかった。

 

あらすじは引用したので上記の通りです。突然兄が強盗殺人を犯してしまい今までの生活が一変。常に人殺しの兄の存在がつきまとい差別にあい理不尽に虐げられ、それから逃れようともがき苦しむ中、兄からの毎月の手紙で更に苦しみ…という非常に重苦しいお話です。でもだからといって観て後悔したということは全くないです。むしろ観てよかった。なかなか言葉にするのが難しいのですが、出来れば観てほしい作品です。

 

加害者の家族にスポットが当たっている作品。自分が何かをしたわけではないのに、加害者の弟だからという理由だけで差別される。学校でも差別され、職場でも差別され、やっと救いとなった音楽でも差別され。例え彼がやったわけではなくても、例え故意ではなかったとしても、人殺しの弟とは皆関わりたがらない。事件が起きる前までは大好きな兄と支えあって幸せに生きてきたのに、事件後は暗く塞ぎ込みがちになり他人を拒絶し、音楽と出会って仲間と出会って恋人と出会って前向きになった矢先にまた兄の存在によって音楽の夢が絶たれ仲間も恋人も失い再び絶望し、ずっと近くにいてくれていた存在に気付き家庭を持ち、兄の存在をなかったことにし、差別に打ち勝とうと一生懸命努力してもまた差別され。たった2時間半弱で10年の月日が流れるんですけど、その10年がすごく自然。10年間をまとめるとなるとどこかで違和感が出てきてもおかしくはないんですけど、そんなものは全くなく。どんどんどんどん変わっていくんですよ、直貴。良い方向にも悪い方向にも変わっていく。もがきながら苦しみながら、でも答えを出せないまま成長していく。なんというか本当に10年間の成長を見ている感じ。高校時代の直貴!工場で働く直貴!バンドやってる直貴!就職した直貴!ってブツ切りなんだけど、でもブツ切りじゃなくそこに至るまでの成長が見える。本当に10年見てきた感覚になる。うまく言葉に出来ないんだけど、しっかり武島直貴の10年をなぞってるんですよね。

一方で兄の剛志は刑務所の中で変わらない日々を過ごす。変わっていく直貴と変わらない、変われない剛志。根が優しい人だから毎月必ず弟に手紙を書く。最初は返ってきていた返事が来なくなる。それでも手紙を書き続ける。囚人の先輩の「お前はここで現実を見ていないが、弟は現実の中で生きてるんだよ」という言葉がすごく響きました。剛志は直貴がどんな生活をしているのか、どんな差別を受けているのかを知らない。まぁそれは直貴が言っていないから仕方ないことなのかもしれないけど。

後に、直貴が就職先の社長から「君が苦しむことも加害者の罰の一つ」だと言われるんですけど、これもなるほどと思いました。社長きつすぎるだろ……とも思いましたけど(笑)事件を起こしたことで周囲がどれほど苦しむか知ることで自分の過ちを省みることができる。でも結局直貴の苦しみは直貴が1人で抱え込んでしまっていたので、兄は知らないまま。罰を受けていないために兄の中でも弟の中でも、そして被害者家族の中でも事件がずっと終わっていなかった。

直貴が社長にどうすればよかったのか問うんですけど、本当に難しい問題ですよね、これ。差別から逃げるのでもなく、堂々とひけらかすのでもなく、周囲のことも考えながら、どう立ち回っていくのか。きっと一生正解なんて出ないし、imagineで歌われているような差別のない世界なんて存在しない。逃げないで向き合う、自己中心的にならない、言葉で言うのは簡単だけどそれを実際にやっていくとなると話は別だ。

最終的に救われるわけではないし、きっとこれからも直貴はたくさん辛い思いをして苦しみながら生きていくんだろうし、剛志だって出所した後はどうなるかわからない。笑って終われるようなお話ではないけれど、きっと観たら観て良かったなぁと思うと思います。

 

あと直貴の友人、祐輔が本当に良い人。事件前からの友人で常に直貴を気にかけていてバンドでのいざこざがあっても直貴を必死に守ろうとして。差別され続けた直貴だけど、祐輔とか後に結婚する由実子とか全く差別せずに関わって支えてくれる人もいるんですよね。社長も言ってたけど直貴はそういう人との繋がりを大事に生きていってほしいなぁと思いました。