STELLA

好きが君だけで溢れかえるまで

その花に込められた願いは〜ミュージカルマリーゴールド(追記あり)

こんにちはこんばんは。

 

 

ミュージカル マリーゴールド観てきました。

 

はじめての繭期にて繭期デビューした後すぐチケットを確保し行ってきましたサンシャイン劇場

上記記事で触れたLILIUM円盤ですが、マリーゴールド観る前に確保でき、無事マリーゴールド前にLILIUM観ることが出来ました。

 

結果、

LILIUM観て行って本当に良かった。

これからマリーゴールド観るオタクは絶対TRUMPとLILIUM観てから行け。

となりました。

 

LILIUMの感想はまた後ほど書きますね…。

 

 

以下、マリーゴールド感想です。マリーゴールド本編ネタバレ、TRUMPシリーズネタバレが多くありますので未見の方は絶対にここから先には進まないでください。

 

 

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マリーゴールド

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

致死量の愛の物語。そして希望と絶望の物語。

 

 

今回はTRUMPシリーズでは初めて?人間種の世界が軸となる物語。マリーゴールドに囲まれた屋敷でひっそりと暮らすアナベルとガーベラの母娘、アナベルたちを気にかけるアナベルの妹エリカ、ガーベラの主治医ヘンルーダ、ダリ・デリコのPNで作家をしているアナベルの担当編集者コリウスを中心に進んでいくお話。

 

なんだけど、元いたクランから攫われ、気がついたらどこかわからないおかしなクランにいたヤン・フラの話から始まる。そして同時期に攫われてきた女の子のシルベチカ。ヤン・フラはシルベチカに助けられこの異常なクランから逃げ出す。

始まったばかりなのにこの時点でウッッとなってしまった…。LILIUMやん…永遠の繭期…。

ヤン・フラはフラ家の子なんでしょうかね。アンジェリコとウルが死んだ後のフラ家はどうなったんでしょう。吸血種の貴族のルール的なものがよくわからないからアレだけど、そもそもアンジェリコもゲルハルト様とは血が繋がっていないから正式なフラ家としての血はそこで途切れてるんだろうけど…。養子を取りながらフラ家として存続していたのか、それとも貴族としてのフラ家は途絶えたのか…。

 

 

アナベルは街で「化け物と交わった女」として忌み嫌われていた。ガーベラはダンピールで街の人たちに「窓際の化け物」と呼ばれていた。ガーベラは繭期の症状が出ていたが、アナベル、ガーベラ共にクランに行くことは望まずひっそり暮らしていた。

そこに現れる、ダリ・デリコa.k.aアナベルの大ファンだと名乗る少年ソフィとその友人ウル。そして、ダリ・デリコの作品が吸血種を題材にしており、そのあまりに詳しすぎる描写は不可侵条約をおかしているとする公安警察ベンジャミン。

マリーゴールドに囲まれた屋敷でひっそり暮らしていた母娘の歯車が狂っていく。

 

 

アナベルとガーベラについて

とりあえず壮一帆さんの美しさ。さすが元宝塚男役トップ。そして田村芽実ちゃんの歌は相変わらず素晴らしい。

アナベルはガーベラもエリカもヘンルーダもみんな守りたくて、ガーベラを閉じ込め、エリカとヘンルーダを遠ざけ、ガーベラのために原初信仰者となり、色々な間違いがあったけど、やっぱり根底には3人に対する深い愛があるんですよね。

一方、ガーベラにはアナベルしかいない。アナベルしか愛していない。アナベルさえ自分を愛してくれればいい。でも寂しい、孤独と共に過ごしている。でも希望はある。というなんとも難しい。そう、ガーベラの花言葉は「希望」なんですけど、ガーベラはいつも1人で塞ぎ込んで過ごしていたけど、それでも希望はあったんですよね。アナベルという希望が。

ソフィに咬まれヴァンプ化したアナベルがソフィのイニシアチブによってガーベラを殺そうとした時に、ガーベラがアナベルを殺すのも根底にガーベラのアナベルへの愛があるからなんだもんな…。それにしてもたった一人の愛する、自分の希望である人を殺させる末満ほんとこわ。そりゃ希望は死ぬわ…。

希望がなくなったガーベラは母アナベルと共に死に、絶望を抱えてマリーゴールドとして擬似クランへ。そしてLILIUMへ…。キキ(グランギニョル)→ガーベラ(マリーゴールド)→マリーゴールド(LILIUM)っていうことか…。

 

 

ソフィとウルについて

ソフィという名の別人の可能性もあったけど(ないだろ)なかった(当たり前)。ソフィがLILIUMの擬似クランを作っていく過程…。

ダリ・デリコのファンを装って、吸血種の本質に迫っていくアナベルを殺そうと近付くソフィ。そこで出会ったガーベラに自分と似たものを感じて擬似クランへ連れていこうとするけど、「永遠なんてクソくらえ」と過去自分が言ったことと同じことを言われ拒絶され取り乱す。そりゃそうだよね、自分も永遠なんていらなかったのに、今永遠に生かされているんだから。星に手を伸ばしながら「この手は死に届かないままだ」と言うのが辛すぎた。あと、アナベルにTRUMP、TRUMP言われて「TRUTHじゃない!僕はFALSEだ…」って言うのも。擬似クラン作ったのも、なんだかんだクラウスと似たようなことしているのも、繭期だから、と思ってもいたけど、やっぱりソフィはソフィなりに色々あるよね…(当たり前)。

みつやさんソフィはLILIUMのソフィ(ファルス)に寄せていたような印象。

そして、ウルはイニシアチブでウルごっこをさせていたキャメリア。まぁLILIUMでもファルスとキャメリア一緒にいたしな…。でも、さすがにキャメリアにそれをさせるのは酷。

ウル役の土屋神葉くんって土屋太鳳ちゃんの弟くんだったんですね。ウルの時とキャメリアの時で本当にガラッと変わっていてすごいなぁと思った。

 

コリウスについて

足が5mあった!!!!(違う)

アナベルの担当編集者でありながら、アナベルへ恋心を抱き、アナベルの枷である(と思い込んでいる)ガーベラが憎くて仕方ないけど、それを隠し良い人の振りをしている。後半で本性(?)を表していくけど、その歪み具合が最高に良かったです。でも最後はやっぱり良い人。

とりあえず足が5mあってすごい(違う)

 

 

過去TRUMPシリーズとの因果

TRUMP、LILIUMとの繋がりがかなり強い。他にも色々。箇条書きで失礼…。

・ダリ・デリコに対するダリちゃん呼び

花言葉の歌の歌詞に、リリー、スノウドロップ、紫蘭、竜胆、キャメリア、シルベチカ等LILIUMの登場人物。昼顔はなんでだ?と思ったけどFalse bindweedでファルスなのね。

・星の轍。クランの仲間たちの幻影(シルエット)

・イニシアチブを取られたアナベルの「あなたは間違って生まれてきた子供、誰にも話しかけちゃいけないし〜」のセリフ

アナベル、エリカ、ヘンルーダコリウスで「我は守護者なり」今回はミュージカルらしく歌。今回も守護者は誰も守れなかった。

・カテコ曲が共同幻想ユートピア

 

 

ソフィとガーベラについて

ソフィはガーベラに「君は僕であり僕は君なんだ」と言っている。ガーベラは初めて会ったソフィに「可哀想」と言う。ソフィはガーベラに似たものを感じ、ガーベラはソフィの本質を見抜いていたんだなあ。

ダンピールで迫害されずっと1人で生きてきた2人。

永遠の命なんていらないと思っている2人。

たった1人の友達(ウル、リリー)に救われる2人。

君は僕であり僕は君なんだ…。

そして、ソフィが作った擬似クランはマリーゴールドによって壊される。

なんて因縁深いんだ…。

 

そういえば、ガーベラが街の人たちを咬んだ時、ソフィ笑ってたと思うんですけどどうなんでしょう。まだ1回しか観れてないし、微妙に近くて遠い席でオペグラ持ってかなかったのでイマイチ確信が持てずなんですけど。まぁソフィはガーベラを連れ出したらああなることはわかっていたんだろうなあとは思う。

追記:ソフィやっぱりニッコニコだったそうです。他にも基本外野が辛そうな時は愉快そうにしていらっしゃったとか。友人談)

 

パンフレットについて

全歌詞が載ってるのは非常にありがたい。観終わってから歌詞じっくり読むと、あぁ、、そうだよね、、ウッッ、、ってなりますね。わたしはマリーゴールド序曲で既に死にました。絶望は純潔と出会えるのだろうか、その花がいつか散りゆく時に一輪の救いがあらんことをってもうさぁ…。

短編小説「ホフマンと双子の繭期」もなるほど、、って感じですね。紫蘭と竜胆は双子だったのか。マーガレットのイレギュラーを知ってしまうと、LILIUMの親衛隊もイレギュラーの一部か?ってなってしまう。

 

 

 

またマリーゴールド観に行くことにしたので、もう1回LILIUM観てから行きます。

 

 

 

 

追記

2回目観てきました。ので、ちょっくら追記で気になったことを。

 

・先にも書いていたガーベラが街の人を襲う場面、ひたすらソフィ定点カメラしてたらそれはもう愉快そうに高らかに笑っていらっしゃいました。他にもニヤニヤしていたり、馬鹿にしたように笑っていたりする場面がたくさんあって、ソフィの闇を感じた。

・今までソフィを演じてきた俳優は何人かいるわけだけど、マリーゴールドにおけるソフィは三津谷さんにしかできないなって感じ。もう30歳なはずなのに、完全に15歳に見えた。でも咬んだ後の口についた血を拭う仕草とかは色気がありすぎて15歳のそれではなかった。見た目や無邪気に振る舞う姿は15歳だけど、節々に感じるそれ以上の時を重ねた結果の仕草が、永遠の時を生きている感を強くしていた。

・ソフィがガーベラにあんなにも執着していたのは、自分と同じくダンピールで、自分と同じく一人ぼっちで、自分と同じく可哀想な人で、自分と同じく永遠なんてクソくらえだったのに加えて、ウルと同じく「希望」の名を持っているからで、マリーゴールドになって希望じゃなくなったから擬似クランではどうでもよくなり、マリーゴールドが虐められて孤立しても放っておいた?

・血盟議会はソフィが擬似クランを作っていることも、そこで何をしているのかも知っていて、TRUMPの心の平穏のために黙認している?そもそも血盟議会におけるソフィの立ち位置(?)は一体。TRUMPではなくFALSE OF VAMPとして監視しているのか。

・LILIUMのクランがずっと雨なのは時間が止まっている象徴、というのもあるのかもしれないけど、ずっと雨=星が出ない、つまり両の手が星に届かない=死ぬことが出来ないっていうソフィの想いの表れでもあるのだろうか。

マリーゴールドからTRUMPシリーズに入るのが一番心に優しいのかもしれない。